スマートハウスとスイートホーム

 昼下がりには、和室に日光が差し込む。日が傾くと夕焼け空を雁が隊列を作って南へ飛んでいく。東の空にアンドロメダ座が高く上ると、コオロギ、カンタン、ウマオイの大合唱が始まる。


 ガーデンライトの点灯時刻を早める。涼しくなってからお花に水をやろうなどと思うとあっというまに暗くなる。秋の日は釣瓶落としである。


 季節はあっと言うまに移ろってゆく。家と過ごした時間も長くなってくる。少しずつ愛着が湧いてくる。


 恋愛という言葉があるが、恋と愛は大いに違う。恋は成就すれば、別なものに変わる。百年の恋も冷めるという言葉があるぐらいだ。逆に愛はお互いに少しずつ育んでいくものだ。


 欲しいものと必要なものも違う。欲しくて買ってみたら、必要なかったということもある。飽きが来ないというのも、また別なものだ。愛着が持てるということは、飽きが来ないということが、ひとつの必要条件になりそうだ。


 車には「愛車」という言葉があるが、家で「愛家」という言葉は出てこない。検索してみたら工務店さんの名前が出てきた。住宅で愛車に相当する言葉は何だろう。そう考えて、スイートホームという言葉に思い至った。


 車にも「恋車」という言葉は出てこない。家で「恋家」という言葉があるとしたら何だろう。そう考えてスマートハウスという言葉に思い至った。


 一条工務店のアイスマートは、文字通り一条工務店のスマートハウスと言う意味だろう。


 人と人との愛でも絆でも大切に育てるには、お互いに歩み寄る努力が必要だ。もちろん、その努力を肩ひじ張って頑張っては、窮屈になって挫折するに決まっている。アイスマートをマイスイートにするために、気長にぼちぼちつきあって行こうと思うのだった。