去年の夏、エアコンが故障した。結露腐食によるガス漏れ。いつのまにか築5年以上になったので、有償だという。見積もりをとったら、かなりかかるので、買い替えることにした。新しいエアコンでは、エアコン切ったあと、内部乾燥するのがデフォルト設定になっていた。マニュアルをよく見たら、ほかのエアコンも同じ機能があった。また結露腐食にならないよう、今更だけどと、内部乾燥の設定をした。
今年も猛暑。だいたいそういうときに限ってエアコンが故障する。内部乾燥の設定が時すでに遅しで、また結露腐食か、と不安がよぎる。一条工務店アフターに連絡して、業者に来てもらう。不安的中。うわ、また費用がかさむなあと思い、一条工務店に確認。「2026年7月からエアコン保証延長しました」とオペレータ。えー、去年言ってよーと思いながら、費用負担の心配なく、修理完了。新築したときとちがって、エアコンの下にはピアノが置いてある。苦しい体制での修理ありがとう、業者さん。
経年劣化が進むのは、家ばかりではない。体力も、認知機能も、どんどん低下する。思い出も、思い出せなくなり、共有できなくなってくる。具体的な名前があやふやになり、「ご先祖様」で、ひとくくりにする。
位牌とか遺影とか、いまさらながら、忘れたくない人を忘れないために残すんだと気づく。「誰だか憶えてる?」と、もうお参りできず施設で過ごす人生の先輩と声がけしながら、写真に向かって手をあわせる。いずれ、自分も思い出せなくなって、あちら側に行くのだろうと、当たり前のことを思い返す。
新築したらピアノを置いて、練習するぞと思っていたのに、もう、覚える速さより、忘れる速さの方がはるかに上回ってしまった。
それでも、時は巡り、季節は移ろい、気づけば、天高く青空が広がり、蝉の声は、どこかさびしく、そこかしこに秋の気配が感じられる。
今年もお盆が過ぎようとしている。
最近、手にした「ギタレレ」をつま弾きながら、ディズニー映画「リメンバーミー」の歌を口ずさむ。形式や文化は違えども、故人やご先祖様を偲ぶ気持ちは、世界中同じなのだと思い出す。
今日は、ふるさとのお盆の伝統料理「おくずかけ」を作ろう。いつの頃からか、ご先祖様から伝わる精進料理。かつて食べることができたご先祖様にお供えして、いま食べることができなくなったご先祖様のかわりに、いま食べることができる自分たちでお流れをいただこう。その日常がありがたい。
残暑、お見舞い申し上げます。
晩夏