窓を開けたら♪―気密住宅での換気の限界-

 新緑の季節。風薫る五月。今日は初夏の陽気。室温は25℃。


 ちょっと暑いかな。


 窓を開ける。軒端の吊るした風鈴の心地よい音が耳に飛び込んでくる。すがすがしい空気が部屋中を通り抜ける。室温は、23度ぐらいまで一気に下がる。


 ほんとうにすがすがしいのだ。


 窓を開けているときの、二酸化炭素濃度はだいたい420ppm。これが、窓を閉めると、ものの1時間も立たないうちに600ppmを超える。一条工務店のアイスマートには、ロスガードという24時間換気システムがついていて、計画換気されている。少々気になるファンの風切り音が聞こえるから、故障しているわけではない。


 つまり、それが24時間換気システムの限界ってことだ。シックハウス症候群にならない程度の換気と、窓を開けたときの風通しでは、ぜんぜん違うのだ。


 都会だと埃が入るとか、あるいは花粉がどうとか、まあ、いろいろある。都会の喧騒を離れた、ここだって、真冬の猛吹雪のときに、せっかく断熱の効いたトリプルサッシの窓を開けるなんてことはしない。


 でも、和室の畳に寝そべり、ウッドデッキにおかれたバラの花や、その先の植栽を眺め、鳥の声をうっとりと聞きながら、ときおり通り過ぎる爽やかな五月の風を感じるのは、実に趣があっていい。古民家に住まっている気分になれる。


 気密断熱住宅に決めて、24時間換気システムに頼ることにしたものの、窓を開けたときの風通しを考えておいてよかった。