初雪

 11月も末ともなれば、初雪だ。どんよりとした曇り空に、小雪が舞っている。


 「小雪」の「小」は、「舞う」にかかる日本語らしい形容動詞で、「雪が少し舞う」の意味だ。小雨が降る、小腹がすく、小首を傾げる(かしげる)、などの用例も、「雨が少し降る」「腹が少しすく」「首を少し傾げる」の意味だ。首が小さいのではない。


 でも「小顔」に関しては、文字通り「小さい顔」の意味で、美人の条件だそうだ。ネットによれば1997年ごろから使われ出した言葉のようだ。日本語も変化している。


 さて、小雪の季節。床暖房を入れ始める。家を建てる前は、24時間床暖房を入れた方が云々というのを信じていたのだが、それが恐らくオール電化の場合と気づいたのは、住み始めてからだった。ガス併用のエコワンでは、たとえ「控えめ運転モード」で「レベル1」でも24時間入れたら、暑くて汗ばんでしまう。


 それで天気予報を聞きながら、床暖房のタイマーをこまめに設定しなおすのが、この季節の日課となる。


 家を建てるとき大変お世話になった、百戦錬磨の一条工務店の営業さんも、ガス併用エコワンに知見は少なかったようだ。それでも、その営業さん、アイ・スマートのオーナーで、当然ユーザーでもあった。


 「冬にストレスなく起きられるのはいいですよ」


 と、その営業さんは言っていた。営業さんなのだから、セールストークなのだが、このセールストークに嘘はない。これは、この地域に住まうアイ・スマートのユーザーなら、みなそう思うことだろう。来宅される方々も、みな玄関ドアを入るたび「いつもながら暖かいですね」と言うから、アイ・スマートのユーザーでなくても、そう思うのだろう。


 自社の製品とか商品を、社員とかパートさんが実際に使っているものは、あまり間違いがないように思う。一条工務店の社員が、アイ・スマートに実際住んで営業するのだから、説得力がある。


 昔、大塚化学の工場見学に行ったとき、社員食堂に行ったら、ボンカレー、ポカリスエット、オロナインCとかの自社商品が並んでいた。ああ、いいものなんだな、と思う。


 逆に、銀行の静脈認証機能つきキャッシュカード。ユーザーが少ないからと廃止される傾向にある。でも、そもそも使っている銀行員が少ないのだ。それでは、普及しない。これだけセキュリティをと言っているのにである。人手不足の波は銀行員にも。仕事を覚える前にやめてしまう銀行員も多いと聞く。円安、物価上昇と、お金にかかわる話題が多い中、まちがいのない金融商品をセールスしてくれる銀行員も少なくなるような気がする。


 お金のために仕事をすることと、いい仕事をして相応のお金をもらうことは、似ているようで、全く違うことなんだよなあ、と独り言ちるこの頃なのだった。