外は吹雪

 暗くなってから、風が強まった。防音効果の高い気密住宅の中にいてもごうごうと風の音が響いてくる。ガーデンライトに照らされる雪は、ほとんど水平に吹雪いている。トリプルサッシが真っ白なのは屋内側の結露ではない。屋外側に吹き付けられた雪だ。


 物置から雪ベラを持ち出して、玄関のハイドロテクトタイルの壁に立てかける。外気温マイマス1度。風が強くて雪に当たるとちょっと外に出ただけでも体感温度が全然違う。ポーチにあっというまに5センチほど積もってしまった。


 食材を取り出すために床下パントリーを開ける。フタを開けた途端、床下から冷気がひゅうっと入り込んでくる。急いでジャガイモを取り出しフタを閉める。


 床暖房全館ON。エコワンはこの条件ではガスではなくヒートポンプを自動選択。ソーラーパネルは発電量0なので、買電1.5kW。ほんのり床が暖まってほっと一息。


 テレビ、掃除機、洗濯機、自動車、スマホ、ネット・・・便利なものがたくさん増えた。でもなくて困るものと言えば、やっぱり住まいだ。雨風を凌いで暖をとるのは、縄文時代の竪穴式住居から住まいの本質だ。


 限られたお財布から散財するとき、あったら便利なものより、ないと困るものを見極めると、優先順位をつけやすい。


 そんな風に一条工務店のアイ・スマートに決めたときのことを思い出しつつ、リビングの掃き出し窓から、すっかり銀世界になってしまった寒そうな庭を眺め、今日が仕事納めでよかった、明日はもう一歩も家から出ないぞ、などと妙な決心をして、食料品の備蓄を確認するのであった。