サッシは、アルミか、樹脂か、木製か?

 氷点下。たった一晩の霜で、ナスもトマトもしおれてしまった。それでも、今日は小春日和。穏やかな青空が広がった。


 一条工務店のアイ・スマートの標準のサッシはクリプトン封入のトリプル防犯樹脂サッシ。おかげで、結露は免れている。サッシは、アルミか、樹脂か、木製か?まあ選ぶなら樹脂サッシだろう。


 加工が容易で、耐久性に優れたアルミサッシは、高度成長期の建物のサッシを席巻した。アルミニウムは表面に自然酸化被膜を作る。それを工業的に表面処理して作るのをアルマイト加工と言う。塩害にちょっと弱いことをのぞけば、抜群の堅牢性だ。元来、金属は染色できない。でも、アルマイト加工で、表面に細かな穴をあけて、そこに染料を封じ込めれば、白をのぞくありとあらゆる色が表現できる。スマホのメタリックカラーはほとんどカラーアルマイトだ。


 材料の熱の伝えやすさと電気の通しやすさは、おおむね同じ傾向にある。アルミニウムは、銀、金、銅についで、金属中でも抜群の電気の通しやすさで、ロスの少ない高圧送電の電線にも使われる。しかーし、だ。サッシにつかうとなると、これは良くない。住宅が断熱仕様でも、アルミニウムはすかすか熱を通してしまう。


 でも、アルミニウムを建材として使うには、もっと良くないことがある。アルミニウムは溶融塩電解という方法で、製造されるが、これが実に電気を食うのだ。アルミニウムは電気の塊と言っていい。その電気を発電するのに、液化天然ガスを燃やしては、がんがん、二酸化炭素を排出してしまう。地球温暖化に大貢献だ。だから、もう、世界ではアルミニウムをサッシに使うなんてことはしない。そんなことをしているのは、技術で後れを取って、環境意識の低い日本だけだ。もともとオイルショックで崩壊していた日本のアルミ製造は、自前の水力発電所を持っていた日本軽金属が平成26年3月31日をもって操業を停止し、長きにわたった歴史に終止符を打った。


 そんな訳で、サッシは樹脂ということになる。一条工務店のアイ・スマートも必然的にそうなっている。樹脂は、若干、アルミより耐候性が悪い。西日が当たるところではひび割れたりする。何事も満点というわけにはいかない。


 予算に糸目をつけず、こだわり抜くなら、木製サッシは検討に値するだろう。もちろん、製造に二酸化炭素排出はないから、環境にも優しい。木目の風合いとか、味があって、いいよねえ。もっとも、ひとつひとつ加工するから、お財布にはかなり厳しそうだけどね。