低炭素建物と外構緑化指数

 冷たい雨が降っている。寒さに弱い植物の鉢が雪に当たらないように軒下へ移動する。明日の天気予報は雪だ。トランプ大統領が離脱を決めたパリ協定では、地球温暖化の対策として、二酸化炭素のような温室効果ガスの排出の削減を求めている。


 ヨーロッパのCAFE規制では、自動車の走行1kmあたりの二酸化炭素(CO2)排出量を95g/km以下に抑えられない自動車メーカーに罰金を科す。環境対策に出遅れている日本の自動車メーカーにはかなり厳しい規制だ。


 というのも、ただ電気自動車(EV)にすればいい、というものではないからだ。ウェル・トゥ・ホイール(WTW)と呼ばれる考え方では、EVを充電する電気の発電に化石燃料を使っていれば、それも二酸化炭素排出の片棒を担いでいるとみなされるからだ。原子力発電所の稼働停止により、化石燃料を燃やす火力発電の割合が8割を超える日本では、自動車メーカーだけの努力ではいかんともしがたい。


 ちなみに都市の低炭素化の促進させるエコまち法では、低炭素建築物の新築計画を認定する制度がある。



 認定してもらうにも費用がかかるので、認定こそとらなかったが、一条工務店のアイ・スマートの間取りやオプション、外構にも低炭素住宅の考え方を取り入れた。


 天井断熱、床断熱、外断熱、連続する防湿気密層、常時換気システム(ロスガード)、断熱サッシ(トリプル)、窓の日よけ(ハニカムシェード)は、アイ・スマートの標準仕様でクリア。軒は間取り設計時に、あわせて外構のカーポートの屋根を軒がわりに使うことでクリア。ソーラーパネルと高効率給湯器(エコワンダブルハイブリッド)を選んで、その項目もクリア。もともと一条工務店のアイ・スマートは超ZEH仕様なので、住宅の低炭素基準を満たすのは、それほど難しくない。


 低炭素基準には、省エネ基準で考慮されていない条件もある。一条工務店のアイ・スマートは木造建築なので、木材の利用はクリア。HEMSの導入もアイ・スマートのオプションでクリア。節水対策は節水型便器(アラウーノ)、食洗器、アイ・スマートオリジナルのバスタブやシャワーヘッドでクリア。節水は浄水場などのポンプの電力を減らし、二酸化炭素排出抑制につながるのだ。そしてヒートアイランド対策。外構の植栽で、中高木の樹冠の水平投影面積を増やし、外構緑化指数を増やすことでクリア。


 低炭素住宅を意識するとき、見落としがちなのが外構だろう。外構は日射を減らし、住宅の見栄えに個性を与え、生活に潤いを与えてくれる。


 そうそう認定制度にはないが、低炭素住宅を意識するなら、検討しておきたいものがある。EVの充電設備と蓄電池用の配線だ。アイ・スマートは気密断熱仕様なので、後からこれらの配線をつけるのは難しい。使わなくても予め配線しておくのが良いと思う。ビーグルトゥホーム(V2H)の考え方では、EVを蓄電池がわりに使い、ソーラーパネルの電力の地産地消を目指すことで二酸化炭素排出抑制を目指す。というわけで、まだ買いもしないEVの充電設備と蓄電池の配線も準備した。


 ソーラーパネルのFIT(固定価格買取制度)を卒業するころには、お手ごろ価格のEVのマイクロモビリティが普及しているといいなあ。