コンパクトな平屋

 コンパクトな平屋は割高だ。


 まず、2階建てに比べて広い土地がいるから、土地代が割高だ。


 次に、屋根と基礎は何階建てでも同じなので、その分だけ割高になる。


 一条工務店のアイ・スマートでは一階部分だけ、圧入木材を使うので、それも割高になる。


 コンパクトにしようとしても、基本的な住宅設備も減らせないので、床面積を減らせば坪単価も割高になる。


 アイ・スマートでコンパクトな平屋に種々のオプションをつけると、坪単価が大台を超えてしまうこともある。もちろん、あくまで坪単価の話で、総額は当然床面積が狭いほど安いけど。


 コンパクトにしようとしても、住まいのエンジンとも言える、キッチン、トイレ、風呂、洗面所、ロスガードなどは無くせない。このあたりが間取りの悩みどころだ。狭いところに無理やりぎゅうぎゅうに詰め込む間取りになる。意外と難しいのが壁の配置だ。配電盤やら、床暖の操作パネルやら、システムキッチンやら、種々のボード類やらであっというまに壁が足りなくなる。コンパクトにして壁が足りなくなるのは室内だけではない。外壁のエアコンの室外機を設置するスペースも限られてくる。複数エアコンを配置するなら、窓から顔を出したら両側に室外機が迫っているみたいな状況になる。太陽光パネルを載せたら、パワーコンディショナーの設置スペースも必要だ。


 それでも平屋だと階段が無いので楽だ。コンパクトだと掃除する範囲が狭くて楽だ。坪単価が上がっても建物の総額は抑えられる。いろいろ嬉しい。


 ただ台風が来て、ひとつ思ったことがある。テレビで「垂直避難で二階に逃げてください」と言われても。さすがに平屋だと二階に逃げることはできないなあ。