今さら気密、断熱、遮熱と冷暖房

 梅雨前線が北上すると、こちらも本格的な梅雨入りである。ちょっと外に出るとアマガエルやらカタツムリやら、ちょっと気持ちの悪いナメクジやらと、いかにもである。じっとりと暑いとやはりエアコンに頼りたくなる。


 暑さ寒さをしのぐのが家のひとつの役目だから、外と内との熱の出入りの仕方と気密、断熱、遮熱を紐づけておくのは大切だ。熱の出入りの仕方は、大きくみっつ。空気といっしょに熱が運ばれる「対流」、ものとものとが触れ合って熱が伝わる「伝導」、ものから熱が光となってとびだし、ぽかぽかする「放射」、のみっつである。


 気密は外の空気と内の空気との対流による熱の移動を防ぐ。隙間風の穴をふさぐことだ。穴は小さい方がいい。


 断熱は外の空気と内の空気との伝熱による熱の移動を防ぐ。このとき忘れてはいけないのは、熱の移動量は内外の温度差と面積に比例することだ。外の温度と内の温度に差がなければ、熱は移動しない。もうひとつは面積。床や壁の面積が大きいほど熱は移動する。平屋コンパクトな家は、それだけで熱移動が少ない。


 遮熱は放射による熱の移動を防ぐ。だから光が出入りする開口部、つまり窓に施すのが効果的だ。また一条工務店のアイ・スマートの床暖房は放射を使う。だから床暖房のパネルは、放射熱が床下に逃げないように一面のアルミでおおわれている。


 熱は温度の高い方から低い方に移動する。温度の高い方を熱源と言う。冷たいものから冷気が「放射」されることはない。黒い光がないのと同じだ。冷房は基本的に対流を使って熱移動する。冷房をするとき冷やす対象となる熱源は人だ。人に風を送れば効果的に冷房できる。


 という訳で、エアコンを入れても扇風機やうちわが活躍するのである。


 今さら気密、断熱、遮熱のおさらいでした。