大雨特別警報、そして河川氾濫発生情報

 午前4時30分、キンコンカンコン、と河川氾濫発生情報のアラートで叩き起こされた。きのうからの大雨特別警報で、注意喚起されていた。


 「五月雨を集めてはやし最上川」


 とは、松尾芭蕉の俳句。「はやし」と読み込まれているように、最上川は、日本三大急流のひとつだ。その最上川が、線状降水帯による大雨で、あふれた。被害が少ないことを祈っている。


 このあたりは、その最上川の最上流。まったくの暴れ川だった最上川を、大規模な土木工事で、その川筋を定めたのは、戦国武将の直江兼続。野面積みと呼ばれる築城技術を応用し、石垣で堤防を作った。直江石堤とよばれ、市街地を水害から守ってくれている。行政のハザードマップでも、このあたりの洪水のリスクは、ほぼない。


 家を建てるとき、川から近い土地を選んだ。耳をすませば、最上川の流れの音が聞こえる。もちろん、事前にハザードマップで、洪水のリスクを調べた。調べていくうちに、リスクが小さいのは、400年前の直江兼続の偉業のおかげだと気づいた。


 先の東日本大震災のとき、三陸を大津波が襲った。しかし、先人の経験を活かし、津波による建物被害が1軒もなかった地域がある。



 防災を考える上では、その地域の先人の営みを知る、というのも大切かもしれない。