ガス暖房でも、電気代がかさむわけ

 10月の声を聞き、すばるが夜空に高くなってくると、朝は、もう、涼しいというより、寒いというかんじである。あと一か月もすれば、床暖房のお世話になる。そこから、電気代はうなぎのぼりに増えていく。もっとも積雪の多い1月から2月に電気代のピークを迎える。一条工務店のアイスマートは、気密断熱性能が高いといっても、冬の暖房の電気代は、それなりにかさむのである。


 床暖房の熱源は、ガスと電気のハイブリッドのエコワン。ガスと電気のいいとこどりのエコワンだが、主に効率のいいヒートポンプを使い、貯湯タンクのお湯の温度が下がったときに、ガスで追い炊きするかんじだ。だから、100%電気のエコキュートとは違うとしても、電気代は、そこそこ食うのだ。


 加えて寒冷地の場合、室外機に霜がつく。ここらのように吹雪ばかりだと、着雪も多い。すると霜取り運転となる。霜取り運転中は、ヒートポンプが働かないので、家の中でも、寒い思いをするわけだが、エコワンは、そこでガスを使うので、家の中で、寒い思いをすることはない。ただし、霜取り運転は、電熱線でやるし、屋外だから、電気を湯水のように使ってしまう。


 さらに氷点下になると、凍結予防運転となる。給湯システムの配管が凍って破裂したら、万事休すだ。この凍結予防運転も、電熱線でやるし、屋外だから、電気を湯水のように使ってしまう。こうして、暖房以外のところで、電気をがんがん使うのだ。


 さらにさらに、冬になると日が短い。ソーラーパネルが使える時間帯が限られる。さらにさらにさらに、吹雪で日照は期待できず、屋根には、どんどん積雪し、ソーラーパネルは発電しない。ほとんど売電はできず、買電ばかりとなる。


 こうして、吹雪の季節は、霜取り運転や凍結予防運転で、電気代がかさむのである。


 このあたりでは、積雪の再凍結による軒の破損を防ぐためのヒーティングシステムがある。アイ・スマートの雨どい職人さんに聞いた話によると、あまりに電気代がかさむため、二年目以降は使わなくなるお宅がほとんどだという。屋外を温めるという発想自体が、自然に逆らう考え方なのだ。


 そんなわけで、気密断熱性能が高いアイ・スマートで、ガス併用熱源でも、寒冷地の豪雪地帯では、ある程度の電気代は覚悟しないとならないのだ。ちなみに、寒冷地での床暖房の水は、ただの水ではなく、不凍液を循環させる。