振り返ってみれば。。。


 たいして知識もないのに「施主の情報発信が必要です」に触発されてしまいました。


 国の政策の影響で、突然住む活をはじめざる得なくなった。それまで家を建てるなんて夢にも考えたことがなかった。住宅知識ゼロからのスタートだった。住宅の知識なんて学校で教えないし、試験にも出ないから、そもそも意識するきっかけすらなかった。幸いネットがあったので、アパート、マンション、中古、建売、新築と調べ始めた。たくさんの施主の方のブログも参考にさせていただいた。まあ、言ってみれば、その感謝の気持ちも込めて、何か報いることができるかと、はじめてのブログもやってみた。それが、これだ。


 細かいことに目をつぶり、目先の損得だけで考えるなら、賃貸の方がコスパがいいと感じた。よほど長生きしない限り、高気密・高断熱を実現するコストより、それをしないで化石燃料がんがん使った方が安いのだ。現時点の日本のエネルギー政策は、まさにその方針だ。石炭火力を使い続ける言い訳が、経済産業省のサイトにある。



 でも、ほんとうにそれでいいのか。自分がこの世からいなくなる後に、ぜーんぶ先送りして、そのツケを次世代に負担させていいのか。いいかどうかはともかく、そういう自分がかっこ悪くないか。後藤新平にはとても及ばないが、少しかっこつけてもいいんじゃないか。



 目先の生活を心配しつつも、過去の価値観にしがみつくのをすっぱりやめて、今の蓄えをすっからかんにし、あらためて節約して老後の資金を蓄えなおすというおぼろげな計画で、新築に決めた。少しは気密断熱やZEHの知識も得て、「家は性能」をうたう一条工務店のアイ・スマート。ちょうど、日本が2020年にZEH義務化するのを受けて、どこの工務店でもZEHののぼりをひらつかせていた頃だ。


 で。



 着工直後に飛び込んできたニュース。はあっ?である。そのくせ、受け取るはずだったZEHの補助金は、蓄電池がないとだめという後出し条件でキャンセル。振り回されているうちに、結局、補助金とか助成金とかいう類は、次世代の負担の前借なのだと気がついた。


 お金は働いた分しか出てこない。とどのつまりは補助金や助成金は国債となり、その先送りした国債は次世代の税収で賄うしかなく、少子高齢化に歯止めがかからない現在、若い世代のさらなる増税につながるだけだ。


 何かのせいにするのはたやすいことだが、かっこ悪いし振り回される。国や時代や境遇を恨んだどころで不幸にしかならない。国と国民は違う。建前と現実は程遠いかもしれないが、日本の主権は国民にある。あたり前の日常を送るという、ひとかけらの幸せのために努力できるのは、自分しかいない。それが主権を持つということだ。国民ひとりひとりがそうやって依存から解き放たれれば、少しは何かがましになるかもしれない。


 たいして世の中を知らない癖に、つい青臭いことを書いてしまった。


 今日は久しぶりの恵みの雨。庭の緑が潤って嬉しそうだ。ゆうべの星空はきれいだった。東の空にのぼった夏の大三角形をいて座からカシオペア座に続く天の川が突っ切って流れる様子を久しぶりに眺めた。


 あとちょっとでホタルの季節がやってくる。それを楽しみにして過ごすとしよう。気焔をあげるより、そういう方が好きなのである。