百聞は一見に如かず、百見は一試に如かず

 何事も経験とはいうものの、時間とお金は限られているし、できれば経験せずに済ませたいことの方が多い。病気や事故などその最たるものだろう。家づくりだって経験しないで済むなら、その方が時間とお金の節約になる。


 受け入れなくてはいけない現実に直面したとき、それを前向きに捉えるられる幸運があってはじめて、何事も経験と自分を慰めることができる。


 退去を迫られ、住む活を始めた。バリアフリーの物件が少ないことに驚き、注文住宅に決めてからも、周囲にアドバイスしてくれる人も少なく、たくさんの方々のブログを参考にさせていただいた。今振り返れば、もっとこうすればよかったということも多々あるが、限られた時間と予算のなかで、まあどうにかこうにか生活も落ち着いた。やっと何事も経験と言える境地に至って、自分も何か誰かの参考になればと、これまたはじめてのブログを始めてみた。


 それから、季節は廻り半年がたち、年が暮れようとしている。振り返れば、ネットサーファーのお目汚しをして時間を奪っているだけのような気もする。


 和室の窓から見えるサクラの木にキツツキがやってきた。アカゲラだ。おなかの目立つ赤が積もった雪によく映える。


 ブログにこう綴ったところで、一度もアカゲラを見た経験のない人にはぴんとこないだろう。それでも縁あって、そこからアケゲラを見てみたいとか、アカゲラのいるところに行ってみたいとか、これから建てる家の窓からアカゲラが見えたらいいな、などと思えた人は、幸運だと思う。


 何かを見たい、何かをしたい、という思いが、夢と希望につながっているからだ。たとえその糸がどんなにか細かったとしても。


 来年も良い年でありますように。