冬の扇風機

 今夜も外気温は氷点下。室温と外気温の差はコンスタントに20度以上。ありがたいことに窓はほとんど結露しない。


 ちなみに一条工務店のアイ・スマートの標準の「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」と「トリプルハニカムシェード」と組み合わせときの断熱性能を示す熱貫流率U値は0.6 W/㎡・Kだ。


 でも断熱性能と結露は必ずしも両立しない。ハニカムシェードのすみっこに「窓が結露しないように少し隙間を開けてください」とシールが貼ってある。ハニカムシェードで断熱すると窓の表面温度がかえって下がって結露してしまうのだ。


 もうひとつ頭に入れておきたいのは、水分の移動だ。


 ハニカムシェードを締め切ってしまうと、ハニカムシェードと窓の間の水分が逃げ場を失ってしまうのだ。


 結露と断熱とどっちをとるかは、ひとそれぞれだが、そこまでU値にこだわらない方がいいように思う。一条工務店の0.6 W/㎡・Kはセールストークと見ていい。


 アイ・スマートの床暖房はエアコンとちがって輻射熱を使うので、室温を上げなくても陽だまりのような暖かさがある。室温を下げてやれば熱貫流率U値が少々大きくても失われるエネルギーは少なくなる。それに室温が低ければ、同じ湿度でも空気中に含まれる水分が少ないので結露しにくい。もちろん、控えめな暖房は、お財布にも優しい。外出するときのヒートショックも少なく、体にも優しい。


 そして扇風機だ。


 窓の近くの空気だけ冷えないよう、また窓の近くの水分が移動するよう、扇風機を使う。対流を使って熱移動と物質移動を促進するということだ。床暖房は輻射熱だから、人が直接風に当たらなければ、体感温度が下がることはない。


 最近一条工務店からリリースされた「ロスガード90うるケア」も対流を使うという考え方は同じだ。ただロスガードは天井への吸い込みとダウンフローなので、積極的に対流を使うには、設置スペースを取るということをのぞけば、首振りの扇風機の方がより効果的のように思う。


 いまのところ気化式加湿器と首振りリズム扇風機を組み合わせて、ほぼ全館均一に湿度
50%を維持している。喉にも、そしてピアノやギターなどの木製楽器にも優しい。外気温と室温の温度差20度でも、窓の結露はほとんど気にならない。


 気密断熱住宅には、冬の扇風機が欠かせない。


 追伸、そうそう、間取りを決めるとき、人の動線だけじゃなく、風の動線も意識しました!