樹脂トリプルサッシだって、結露でかびる

 吹雪が去ったあとの星空は澄んでいて、とても美しい。でも、放射冷却で冷えるだろうなと思う。次の朝、起きてみれば、果たして外気温マイナス9℃。幸い、室温は18℃。湿度は、40~50%だ。


 一条工務店のアイ・スマートのサッシは、樹脂枠でクリプトン封入のトリプルサッシだ。それでも、やっぱり結露する。ガラス面は、下隅に100円玉程度。樹脂枠は、下半分くらいは結露する。ただ引き違いサッシの外側に網戸がある側は、ほとんど結露しない。


 ここで住宅の断熱性能の目安となるU値について。U値、総括伝熱係数、熱貫流係数、熱貫流率、と呼び名にブレがあるが、どれも同じだ。


 U値を支配する要素はみっつ。室内空気からサッシへの熱伝達と、サッシ材料内部の熱伝導と、サッシから屋外空気への熱伝達。空気を経由しての熱伝達は、空気の流れの影響を大きく受ける。具体的には、サッシの近くの空気は、層流となり、サッシに向かっての流れはない。またサッシから離れたところの空気は、乱流となり、サッシに向かっての流れがある。サッシ近くの層流を、流体境膜と言う。そして、U値は、この流体境膜の影響をモロに受けるのだ。だから、網戸があって、屋外側の流体境膜が厚いと、実質的なU値が、小さくなって結露しにくくなる。扇風機で室内から風を送ると、室内側の流体境膜が薄くなって、実質的なU値は大きくなるが、サッシ表面温度が上がるので、やはり結露しにくくなる。


 ちなみにハニカムシェードを下すと、室内側の流体境膜が厚くなって、実質的なU値は小さくなるが、サッシ表面温度が下がるので、逆に結露しやすくなる。冬場にハニカムシェードを少し開けておくことが奨められるのは、室内側の流体境膜を厚くしすぎないようにするためだ。


 結露しやすい場所は、室内空気の動きがなく、屋外側に網戸がなく、屋外の冷たい風が直接当たる場所。うちの場合、勝手口がもっとも結露がひどくなる。しかも、掃き出しなので、結露が床面を濡らしてしまう。サッシ枠と床面の間には、コーキングがある。このコーキングに黒カビが発生してしまうのだ。


 ま、気休めに漂白剤で漂白するしかないか。