「きゅきゅっと」と「ぬるっと」

 近所の田んぼに水が張られ、代掻きがされて、田植えが終わった。気候は寒くなったり、暑くなったり。ご近所では、ストープを焚いたという話を聞く中、アイ・スマートの家の中は、暖房なしで22度前後をキープ。断熱性能のありがたみを実感できる。強い日差しのあるときは、太陽光パネルの発電も順調だ。


 緊急事態宣言が解除されたとは言え、自粛ムードが続く中、お掃除などするわけだが、トイレ掃除が楽だという触れ込みを信じて、トイレはパナソニックのアラウーノに決めた。


 悩んだところは、老舗のTOTOが陶器なのに対して、パナソニックのアラウーノはプラスチックだというところだ。


 固体の材料の表面は、二種類に分類される。指でこすると陶器のように「きゅきゅっと」するものと、プラスチックのように「ぬるっと」するものだ。「きゅきゅっと」する「きゅきゅっと」する表面は、極性とか親水性とか言って水となじみがいい。「ぬるっと」する表面は、非極性とか親油性とか疎水性とか言って、水をはじいて油となじみがいい。


 トイレで用を足す回数は、「小」の方が多いだろうから、水をはじく方が水に溶ける成分によるこびりつきが少ないというのは理に叶っているように思える。反面、脂っこい「大」はくっつきやすいことになる。


 この表面の特性の考え方は、食器やキッチンボードの汚れにも関係がある。タカラスタンダードのホーローのキッチンボードは極性だから、水となじみが良く、油となじみが悪い。油汚れを落としやすいのはそのためだ。


 油と水とは混ざることはないが、それらの仲立ちをするものを界面活性剤と言う。早い話が洗剤だ。油がくっつきやすいプラスチックでできているアラウーノは、洗剤を使ってその弱点を補っている。まあ、そうは言ってもやっぱりトイレ掃除を全くしなくていいという訳には行かない。


 そうそう、これから暑くなると汗をかく。汗は水となじみがいいので水洗いが一番である。脂汚れは油となじみがいいので、溶剤で洗うのがいい。水を使わないのでドライクリーニングと言うが、これは家庭ではやれない。家庭で脂汚れを落とすにはやはり洗剤に頼ることになる。忘れがちなのは、洗剤は油汚れを水洗いするときに効くのであって、汗にはまったく効かないということである。


 この水と油の関係の考え方は、トイレ選び、キッチンボード選び、食器選び、お洗濯の洗剤選びまで参考になる。


 ちなみにアルコール系やせっけんは、コロナウイルスの脂質を溶かして殺し、次亜塩素酸水は、水に溶けた活性酸素がコロナウイルスの遺伝子を酸化して殺す。ここでも、この水と油の関係の考え方が参考になる。