我が家に集う小鳥たち
雪が少なかったせいなのか、どうなのか、今年は春が遅い。
桜が咲いたと思って植え付けたバジルが寒さにやられてしおれてしまった。こんなときはのんびり芽を出す植物がいいようだ。早咲きより遅咲きの方がいいことだってある。お花にお水をあげていると、その豊かな個性に、人間の世界を思い出す。冬眠から覚めて鳴いていたアマガエルもこの寒さでは、凍えていることだろう。こちらも早起きさんよりお寝坊さんがいいことだってあるのだ。
何日か前に気の早いツバメの鳴き声を聞いたが、それきり音沙汰がない。おおかたは南のどこかで北上するタイミングを見計らっているのかもしれない。
家の窓から外を見ていると、いろいろな小鳥がやってくる。外出しなくても窓から見ているだけでバードウォッチングができるのだ。
カラス、スズメ、ヒヨドリ、ハクセキレイ、ジジュウカラ、キビタキ、アカゲラ、モズ、アカモズ、カワラヒワ、キジ、キジバト、ムクドリ、シラサギ、アオサギ、ツグミ、ツバメ、ヒレンジャク。
電柱のてっぺんで、ほかの小鳥のさえずりを上手にものまねするのはアカモズである。中トトロのように繁みから突然すたすたと走り出すのはキジ。路地で遠くを見つめて哲学しているのがツグミ。無遠慮に電柱の角パイプをのぞきこんで、つがいのスズメにえらい剣幕で追い払われるのがムクドリ。器用に飛び回って桜の蜜を吸うのは愛嬌たっぷりのヒヨドリ。
誘鳥木というのがある。植栽に選んだヤマボウシやジューンベリーはその誘鳥木と言われている。いの一番にやってきたのはヒヨドリ。でかい図体で細い枝をつかんでとまるものだから、枝が折れてしまった。しかし、小鳥の世界も実に個性豊かで、我が家の窓から見られる小鳥のうち、木に興味があるのはごくわずかだ。
鳥害というのもある。鳴き声がうるさいことで有名なのはムクドリ。その点、気密住宅は遮音性に優れているので、さして問題にならない。あとは糞の被害。ヒヨドリは空中で糞をするので、ハイドロテクトタイルやトリプルサッシが汚される。秋は食べた木の実の色、そのままに赤や黄色に汚される。ときどき掃除するしかない。あとは、変なところに巣を作る被害。一条工務店のアイ・スマートには雨戸がないので、戸袋に営巣されることはないだろう。でも雨どいに巣を作られたら困るなあ。それとカーポートの屋根の隙間をいつもムクドリとスズメが狙っている。
昔の民家の軒先にはツバメの巣があるのが当たり前だった。小鳥たちのなかにはずっと人と共存してきたものもいる。
我が家の窓の外に繰り広げられるリアルな「ダーウィンが来た!」。自然と適度な距離を保ちつつ、仲良くやっていきたいと思う。人も自然の一部なのだから。
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