LED照明とトマト

 「LED照明はキャンペーン価格なのでお得ですよ」


 と笑顔で勧める一条工務店の営業さんに、


 「演色評価数はいくらですか?」


 と聞いてみた。


 演色性とは、色の見え方の指標だ。演色評価数(Ra)で表し、太陽光を規準に100とし、それに近いほど色が自然に見える。


 返答に窮する営業さんといっしょに照明カタログの小さい数値を追いかける。LED照明が出始めた頃に比べると演色評価数は良くなっている。それでも実際に照明してみないと光の質はわからない。演色評価数はあくまで目安だ。


 完熟したトマトの赤。


 照明にとってもっとも手ごわい相手だ。


 撮影の現場の照明は今でもハロゲンランプ。美味しそうなトマトがどす黒くなってしまっては絵が台無しだ。


 そんなに頻繁に点けたり消したりしなければLEDと蛍光灯との省エネ性能はそんなに変わらない。ただ蛍光灯は水銀が入っているので、使い終わったあと環境によろしくない。


  トマトを食べるのに白熱電球でスポットライトをなどとも考えた。よく考えてみたら、トマトは昼に太陽の光の下で食べて、夜は省エネのため照明は使わず寝るのが健康的だと気がついた。人工物になんでもかんでも期待するのは間違いだ。


 引っ掛けシーリングになっていて照明器具を自分で付け替えられることを確かめ、営業さんにそれでお願いします、と伝えた。