痛み止めと熱中症

 高齢者は暑さ、寒さに対する感覚が鈍くなる。その分、熱中症のリスクが高まる。


 暑さの感覚が鈍くなるのは高齢者ばかりではない。痛み止めの薬を飲んでいる人も同じだ。ぜんそく、アトピー性皮膚炎、関節リウマチなどの自己免疫性疾患では、慢性的な炎症を抑えるのに痛み止めの薬をよく使う。


 非ステロイド性抗炎症薬。


 要は痛み止めの薬だ。バファリン、イブプロフェン、ロキソニン、ボルタレンなどと言えば、聞いたこともあるだろう。


 これらの痛み止めには、熱さましの効果もある。本当に熱があるときはいいのだが、熱中症に気づきにくくなる心配がある。


 セレコッコスは非ステロイド性抗炎症薬でも、熱さましの効果が少ない。そこで関節痛や腰痛など発熱を伴わない疾患に最近よく処方される。熱さましの効果が少ないので熱中症のリスクが下がる。ただ、ジェネリック医薬品が出ていないので、少々お高い。


 気密断熱住宅で、エアコンで適正温度にコントロールしても、体感温度はひとそれぞれだ。


 夏のさなかに寒いと言われても、ひざ掛け毛布ぐらいしか思いつかない。