マスクとロスガード

 この冬は暖かい。雪が少なく、もう土が見える。氷点下二ケタは数日しかなかった。外気温との温度差30度でも、トリプルサッシはほとんど結露しない。一度うっかりハニカムシェードを全部締めて、対流を邪魔して結露させてしまったが、これは人的ミスと言うものだろう。


 就寝時から起床時まで温度差30度を暖房なしで保てるのは、トリプルサッシばかりではない。内外ダブル断熱と第一種換気システムだ。一条工務店のアイ・スマートに使われる「ロスガード90」は温度交換効率が最大90%ということだ。


 このロスガード90は、花粉、カビの胞子、黄砂、そしてPM2.5までの大部分を除去してくれる。ではウイルスを除去してくれるのか?答えはNOだ。ウイルスはPM2.5よりさらにひとまわりもふたまわりも小さいからだ。そんなに小さなものを計画換気できるほどの風量で除去することはできない。


 マスクもウイルスを除去できない。うっかり行政やメディアが発信すると責任を問われるので予防効果はないと言えないのだろうが、これだけマスクが品薄になり、医者がオペできないと嘆く事態になっても、メディアは不安を煽るだけ。台風19号のときに窓ガラスに貼るガムテープが品薄になったときと同じだ。YouTubeで検索すれば、マスクの自作方法はいくらでも見つかるのに。自らの判断が求められる時代なのだなあと思う。


 マスクは飛沫を飛散させない効果がある。ロスガードで計画換気がなされていても、家族への感染リスクを下げるために、咳やくしゃみが出るときは家の中でもマスクをしよう。咳やくしゃみで飛んだ飛沫に触れた可能性があるときは、よく手を洗おう。


 ウイルスは菌と違って、体外で増殖することはない。体外の休眠状態のウイルスはただの化学物質だ。ナノイーや次亜塩素酸系のスプレーは休眠状態のウイルスを酸化して不活性化する。アルコールは休眠状態のウイルスの脂質を溶かして不活性化する。どちらが効くかはウイルスの種類による。ノロウイルスには酸化がいいし、インフルエンザにはアルコールがいい。


 でももっと手軽な方法がある。日光消毒だ。日光に含まれる紫外線でウイルスをやっつけることができる。殺菌ランプという紫外線ランプもあるが、ウイルスばかりでなく目もやっつけてしまうので、きちんと管理できる業務用がほとんどだ。やっぱり外で日光浴するのがいい。日光を浴びれば体内にビタミンDもできるしセロトニンもできる。


 さあ、もう春だ。お散歩に出かけよう。