配置と外構とつららと吹雪

 この寒波で、72時間降雪量で96センチを観測し、12月の1位記録(88センチ)を更新したらしい。実際の吹き溜まりは、それ以上の積雪だ。


 もともと、その気がなかったのに、住む活をはじめ、付け焼刃で住宅のことを勉強したものだから、もっと勉強しておけばよかったと思うことは、多々あるのだが、その中でも、雪国での、配置と外構は、特に勉強しておけばよかったと思う。


 住宅性能の目的を、一言で言えば、住人を外界から保護することだろう。雨風を凌ぐことはもちろん、気密や断熱、耐震や防犯もその範疇に入る。気密や断熱に関しては、まあ、たいていの営業さんは、説明してくれるし、動線を考えた間取りなんかも、そこそこ説明してもらえる。


 しかし、屋根からの落雪がどうなるか、とか、吹雪のときの吹き溜まりがどこになるか、とか、除雪の際の雪捨て場をどう配置するか、とかは、なかなか提案してもらえないのである。


 そんなときは、吹雪の街を散策して、住宅がどうなっているかを見てまわるが一番だ。営業さんの説明も、ネットの情報も参考にしたが、その街で、その住宅が、それぞれの季節でどうなっているのかを見るというのは、かなり勉強になる。時間さえあれば、もっと、見て歩けばよかったと思うぐらいだ。


 この季節なら、まず、つらら。


 軒につららの出来ている住宅は、断熱が悪いと考えていいだろう。断熱が悪いから、生活熱で、屋根の雪が解けて、軒で再氷結して、つららになるのだ。気の毒だなあと思ったつららには、二階の室外機の取り付け台のつららもあった。つららの重量に耐え切れず、台が大きく傾いていた。あれで、室外機が落下でもすれば、事故にもつながりかねない。早く落雪する住宅も断熱が悪いと考えていいだろう。


 あとは、風向き。


 風は、建物や壁、あるいはカーボートや物置で巻いたりするので、吹雪の時にどう吹きたまるか、できるだけ予想したい。室外機に雪を吸い込んで、着雪すると、暖房効率はかなり下がる。街でどんな配置や外構で、どんな風に吹き溜まり、みんなが雪をどう処理しているかを見るのがとても参考になる。


 屋根からの落雪箇所のスペースをどれくらい取るか。


 これも外構、配置を決めるときに大切なポイントだ。屋根からの落雪のとき、雪はかなり跳ね上がる。隣地との距離として4メートルぐらいは欲しいところだ。


 雪対策としての配置や外構については、住宅の営業さんや外構の営業さんばかりでなく、できれば、除雪作業を請け負っている人や、ガスボンベを交換している人など、いろいろな人の話を聞いた方がいいように思う。


 また年末年始にかけて大雪になりそうだ。


 実害がなければ、一面の銀世界は、趣がある。写真を撮るもよし、絵に描くもよし、雪ダルマを作るのもよし、である。


 よいお年をお迎えください。