できなかった床コンセントと照明の演色性

 植え付けたトマトやパプリカは、ほとんど鑑賞用で、赤と黄色。もちろん、熟せば、収穫する楽しみもある。でも、まだ実は青い。


 夏になったら食べたい献立。ラタトゥイユ。いろどり野菜をたっぷり入れて、ローリエ、タラゴン、タイム、オレガノ、バジルなどのスパイスを効かせると、香りをかぐだけで、あ~、夏が来た!って感じなる。そして、これでもかっていうような、トマトの鮮やかな赤。


 ところが、このトマトの赤は、なかなか手ごわいのだ。たとえば、インスタントのトマトのポタージュの箱をはがして、どんな色で印刷しているか確かめると、赤だけで三色も使っていたりする。ふつう、キ、アカ、アイ、スミの4色のプロセスカラーに、わざわざ赤を二色追加して、6色印刷で、トマトの赤を再現しようとがんばっているのだ。それぐらいトマトの赤の再現は手ごわい。


 一条工務店のアイ・スマートの照明は、省エネのLED照明だ。リモコンで昼光色から電球色まで変えることもできる。しかーし、だ。ふつうのLED照明に6色使うようなことはできない。RGBの三原色なのだ。自然光に近い光を基準として、それからどれくらい違って見えるかを表す数値を「演色評価数」 と言う。アイ・スマートの標準ラインナップから選んだLED照明の演色評価数は85。それだと、やっぱりトマトは、太陽の光の下で見たときと比べると、黒ずんで見える。高演色性LEDスポットライトだと95ぐらいのものもある。ならば、ダイニングテーブルだけ、テーブルスポットライトで照明しようかと考えた。


 つまづくとか掃除がしづらいとかいうこともあるけれど、スポットライトだけでなく、鍋用のIHコンロを使ったり、パソコンを使ったりと、ダイニングテーブルの下に床コンセントがあれば便利に違いない。


 ここで、アイ・スマートの全館床暖房が行く手を遮った。よほど無理を言わない限り、床コンセントは、できないのだ。


 そこまで、こだわりがあるわけでもなく、まあ、トマトは、青空の下、真っ昼間からかぶりつくことにしようと、床コンセントは見送ったのであった。