メリハリのある食事

 今朝のテレビの情報番組で「葉酸」の効果について報じていた。たしかに葉酸は、大切な栄養素だ。でもだからと言っていつも多く摂ればいいと言うものではない。聞き逃すのではないかと思うぐらい、たった一言、癌患者は気をつけるようにと言っていた。


 気をつけるのは癌患者ばかりでない。リウマチ患者もだ。たいていのリウマチ患者は過剰なリンパ球の活動を抑制するため、メトトレキサートと言う薬を服用する。この薬は、葉酸の働きを阻害することで、リンパ球を抑え込むのだ。葉酸の働きを阻害されて抑え込まれるのはリンパ球だけではない。ほかの細胞も抑え込まれる。だからメトトレキサートは一週間に一度程度の服用となる。


 メトトレキサートの作用は、病害虫がついた葉っぱを摘み取るのに似ている。バラにつくアザミウマという害虫がいる。一度つくと駆除がやっかいで、農薬の効きもいまいちだ。思い切って虫のついた葉っぱを摘み取ると、むしろ新しい芽が元気よく伸びてくる。メトトレキサートの作用も、いったん悪くなったリンパ球を摘み取って、新しい細胞が元気になるのを応援するようなものだ。


 メトトレキサートを服用は一週間に一回。メトトレキサートを服用した日は、葉酸を含む食品も控える。そうすることで悪くなったリンパ球を摘み取る。そして、メトトレキサートを服用した翌々日ぐらい葉酸を含む食品を食べ始める。そうすることで新しい細胞を元気にする。実際メトトレキサートの副作用を抑えるのにメトトレキサートを服用した翌々日ぐらいに葉酸製剤のフォリアミンを服用することが多い。


 食事にはメリハリが必要だ。体に必要なものでもずっと同じ調子で食べることが必ずしもいいとは言えない。そしてメリハリのある食事は、心を豊かにする。今日は我慢しようと思えば、次に食べる楽しみも生まれるというものである。


 それにしてもメトトレキサートの服用方法について研究してくださった方には、頭が下がる。本当によく見つけてくださったものだ。今日も元気に感謝する。ありがとう。